ATMやクレジットカード会社のアプリを利用していると「キャッシング」という言葉を目にすることがあります。
「キャッシング」とは、簡単に言えばお金を借りられるサービスです。
しかし「お金を借りる」と聞くと「どうやって借りるの?」「リスクありそうで怖いんだけど…」など、疑問や不安な点も出てきます。
正直にいうと、私は初めて「キャッシング」という言葉を知ったとき、恥ずかしながら何のことかまったくわかりませんでした…。
無知なままキャッシングを利用すると、必要以上に借金を抱えて苦しむ可能性があります。
私自身がまさにそうで、返済に追われて本当に大変でした…!そこから反省し、知識を身につけるべくお金について学ぶようになりました。
そこでこの記事では、私と同じ失敗をしてしまう人が少しでも減るよう、キャッシングについて実体験も交えてお伝えします。
キャッシングにおける失敗や後悔の可能性を減らし、逆に賢く利用できる可能性を高めていきましょう!
キャッシングとはクレジットカードでお金を借りること
本来、キャッシングとは個人がお金を借りられるサービスの総称です。しかし、一般的にキャッシングというと「クレジットカードでお金を借りること」指すことが多いです。
そのため、この記事でも「クレジットカードでお金を借りること」をキャッシングとしてお伝えします。
ちなみに、個人がお金を借りられるサービスには以下の2つがあります。
- クレジットカードでお金を借りるサービス
- キャッシュカードや融資専用カードでお金を借りる「カードローン」
上記のどちらもキャッシングであることに変わりはありません。
しかし「クレジットカードのキャッシング」と「カードローン」とでは、利息や限度額など異なる点があります。
サービスの特徴が多少違うので、どの場合にどちらを利用したほうがいいか、なども変わってきます。
そのため「キャッシング」と「カードローン」とはそれぞれ区別されることが多く、一括りにすると困惑するかもしれません。
- 「クレジットカードでお金を借りること」をキャッシングと呼ぶ場合が多い
- 「クレジットカードのキャッシング」と「カードローン」は異なる点があり、それぞれ区別して用いられることが多い
上記2点をふまえ、繰り返しになりますがこの記事でも「クレジットカードでお金を借りること」をキャッシングとしてお伝えします。
でも「それぞれ何が違うんだろう?」「どっちを利用すればいいの?」などの疑問も生まれますよね。
カードローンについては以下の記事でまとめました。
具体的な特徴や注意点、キャッシングとの違いもお伝えしています。カードローンの利用に迷っている場合には一度ご確認ください。
キャッシングを利用する前に知っておきたい3つの注意点
前述したように、キャッシングとはクレジットカードでお金を借りるサービスです。
とはいっても、クレジットカードを作れば誰でも無条件でお金を借りられるわけではありません。
キャッシングを利用するには条件やリスクも存在します。そのため、安全に利用するには先に注意点を知る必要があります。
その注意点が以下の3つです。
それぞれ詳しくお伝えします。
①申し込みには審査がある
クレジットカードを申し込む際、キャッシングの申し込みも同時にできます。ただし、申し込めば必ずキャッシングが利用できるわけではありません。
- 現在の就業状況や勤続年数
- 年収
- 現在の借入状況
上記のような情報をもとに、クレジットカード会社によって審査されます。実際にどの情報をどれだけ重視されるかは、クレジットカード会社によって異なります。
支払い能力や返済能力があるのかどうかを知るためですね。
もしこの審査に落ちてしまうと、キャッシングが利用できない、もしくはクレジットカードの発行自体ができない場合があります。
クレジットカードの発行後でもキャッシングを申し込めますが、その際も改めて審査される可能性が高いです。
②借入金額には上限がある
審査に通ったからといって、いくらでもお金を借りられるわけではありません。キャッシングで借りられる金額には上限があります。
上限を決めないと、利用者が返済能力以上の金額を借りすぎてしまう危険性があるからです。
上限が決められる基準には、主に「総量規制」と「申込者の信用情報」があります。
また、過去に賃金業者からお金を借りて返済できていなかったり、返済が遅れていたりすると信用情報に傷がつきます。
「過去にちゃんと返せていないから、今回もまた返せないのでは…?」と疑われてしまうわけですね…。
信用情報に傷がついていると、返済能力が低いと判断されかねません。
その結果、場合によっては上限額が希望より低くなる、もしくは審査に落ちてしまう可能性があります。
反対に、年収や信用情報に問題がなければ、希望した上限額に設定してもらえる可能性が高まります。
③余裕を持った返済計画が重要(本当に重要)
お金を借りれば、当然返さなければいけません。そのためキャッシングを利用する際は、必ず返済計画をたてる必要があります。
「借りたら返す」というのは当然ですよね。しかしお金が足りずに追い込まれていたりすると、返せる保証がないのに無理して借りてしまう場合があるんです…。
過去の私がまさにそうで、本当に苦しみました。
借りるときには返せるつもりでいても、返済日までに不意の出費が重なったり、トラブルで収入額が減ったりするかもしれません。
そして返済が難しくなり、返済のためにまた他の賃金業者から借り入れて…と、多重債務の状況に陥り、最悪の場合返せなくなる危険性があります。
そのため、必ず返済できるように余裕を持った返済計画をたてることが本当に重要です。
キャッシングにおける2つのメリット
前述したように、キャッシングには注意点やリスクもあります。
しかし、しっかり返済できるのであればキャッシングにはメリットも存在します。
あくまで”しっかり返済できるなら”です。個人的にはキャッシング自体を推奨するつもりはありません。
やむを得ず借りる必要があり、返済も問題ないのであれば解決できる場合もある、といったニュアンスで捉えていただけたらと思います。
では、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
キャッシングをするメリットは上記の2つです。それぞれもう少し詳しくお伝えしますね。
①不意な出費に対応しやすい
一つ目のメリットは、不意の出費に対応できるということです。その主な理由が以下の3つです。
- 即日借りられるから
- 借りたお金は自由に使えるから
- ATMやアプリで自由に使えるから
たとえば「知人と飲みに行く約束をしたが、給料日前で手持ちが少ない」「体調を壊して働けず収入が減ってしまった」という場合があるとします。
そのような場合でも、クレジットカードにキャッシング枠が付帯していればATMですぐに現金を借りられます。
私のようなフリーランスは、事故や体調不良などで働けない日が続くと、収入に影響しやすいです。貯金がしっかりあればいいですが、少ないとヒヤヒヤしますね…!
また、お金の使い道に制限はありません。そのためアプリでキャッシングして指定の口座に振り込めば、光熱費や家賃の支払いにも利用できます。
返済できることが大前提ではありますが、緊急事においてはキャッシングが役立つこともあります。
②海外にいてもお金を借りられる(実体験あり)
キャッシングは、海外でも利用できます。
「海外にいてお金を借りたい場合なんてあるの?ある程度用意してから行くものでは?」と思うかもしれません。
確かに海外旅行だと、ある程度現金を持って行って現地で両替えする、というパターンが多いと思います。
しかし、海外でもキャッシングを利用する可能性はあります。たとえば以下の様な場合です。
- 留学やワーキングホリデーなど長期で海外に滞在する場合
- 旅行中に持参した現金を使い切り、それでも現地で現金が必要になった場合
実際、私がキャッシングを始めて利用したのはワーキングホリデーで海外にいた頃でした。
なかなか仕事が決まらず、持って行った手持ちの現金も使い切ってしまったんです。
それでも家賃を払わなければいけません。当時住んでいたシェアハウスは、家賃を大家さんに手渡しで支払う必要がありました。
そのため、やむを得ずキャッシングで借り入れたというわけです。
キャッシングせず、現地で日本の口座から現金を引き出す方法もあります。その方法については今後別の記事でまとめますのでお待ちください。
海外では何が起こるかわかりません。実際に利用するかどうかは別として、海外でもキャッシングを利用できるということは覚えておいたほうがいいです。
キャッシングにおける2つのデメリット
キャッシングにおけるメリットをお伝えしましたが、お金を借りることにはデメリットもあります。
キャッシングの主なデメリットは以下の2つです。
それぞれ詳しくお伝えします。
①借りすぎによって返済できなくなるリスクがある(実体験あり)
キャッシングのもっとも大きなデメリットが、返済できなくなるリスクです。
実際に私はキャッシングを繰り返し、返済に苦しんだ時期があります。その主な理由が以下の5つです。
- トラブルで返済計画が崩れてしまうから
- 一度キャッシングすると借金への抵抗が減ってしまうから
- 返すために借りることになり、借入額が増えてしまうから
- 利息が発生するため、返済額が増えてしまうから
- リボ払いに甘えてズルズルと借り続けてしまうから
こちらもそれぞれもう少し掘り下げてお話ししますね。
①-1:トラブルで返済計画が崩れてしまうから
返済計画がとても重要であることは前述しました。しかし、想定外の出費や収入の減少など、予期せぬ事態で返済計画が崩れる可能性があります。
たとえば私の場合、自転車に乗っていた際に車にぶつかられ、怪我を負ってしまったことがあります。
さいわい軽傷で済みましたが、数日間は働けませんでした。
働けなくなると、給与が保障されないフリーランスの私は収入が減少します。
つまり「怪我の治療費(出費)+収入減」という二重のダメージを受けてしまうわけです。
保険が適用されるため、治療費の実質的な負担はありません。ただし、入金されるまでには数ヶ月かかるため、返済日には間に合わないんです。
その結果、返済額が用意できず、返済分をまたキャッシングで補うことになってしまいました。
ただ、返済計画に余裕のなかった私も悪いので、事故のせいというのは言い訳でしかありません。
あくまで「そういうこともあるから気をつけたほうがいいですよ」という一例としてお伝えしました。
繰り返しにはなりますが、余裕をもった返済計画を立てることが本当に重要です。
①-2:一度キャッシングをすると借金への抵抗が薄れてしまうから
一度キャッシングをするとお金を借りるという行動に慣れ、つい繰り返してしまうことがあります。
そもそも私は、借金など絶対にするものではないと思っていました。
しかしいざしてしまうと「簡単に借りれるし便利だな」と感じてキャッシングに頼るようになってしまったんです…。これは本当に反省です。
借金への抵抗が薄れると「何かあっても借りればいいや」と安易に考えやすくなります。
そしてズルズルとキャッシングを繰り返し、気づくと返せない額になってしまうわけです。
①-3:返すために借りることになり、借入額が増えてしまうから
キャッシングに頼ってお金を借り続けると、当然ながら返済額も増えていきます。
すると収入だけでは返済できず「返すために借りる」といった、いわゆる多重債務の状況に陥ってしまいます。
そして「その場しのぎで借りて返済日に無理やり間に合わせる」を繰り返し、翌月以降の返済額がどんどん増えてしまうわけです。
その繰り返しでまた返済が苦しく、借りるしかない…という状況になってしまうんですね…。こうなると地獄なので、本当に気をつけてください。
ダラダラと引きずらないように「返せる金額以上は借りない」と強く決めておくことをおすすめします。
①-4:利息が発生して返済額が増えてしまうから
キャッシングをすると利息が発生します。利息というのは、お金を借りた際に対価として発生する金額のことです。
借入期間が長引いたり借入金額が増えたりすると、利息も増えていきます。
借入額に加えて利息もかかるわけですから、返済時は借入以上の金額を返済しなければいけません。
ただ、経済的に追い込まれていると「利息があろうと借りなければ生活できない…」となり、借り続けてしまうんですよね…。
利息はクレジットカード会社によって異なります。
そのためキャッシングを利用する場合は、まずクレジットカード会社それぞれの利息を把握しておくことも重要です。
①-5:リボ払いに甘えてズルズルと借り続けてしまうから
キャッシングの返済方法には一括払いとリボ払いがあります。リボ払いとは、一定額を毎月返済していく方法のことです。
たとえば10万円借りたとします。その際10万円を一度に返済するのではなく、毎月1万円を10ヶ月にわたって返済するわけです。
10万円を一度に返すよりもひと月あたりの負担が減るので、資産に余裕がない場合に便利です。
私がキャッシングして間もない頃は収入も少なく、ひと月の負担を減らすことに必死でした。
そしてよくわからないまま「とりあえず」で利用したのがリボ払いです。
「収入が増えれば返せるからそれまでの辛抱…」と思いながら、結局ダラダラとリボ払いをしながらキャッシングを繰り返してしまいました…。
キャッシングしてはリボ払いで返済して…と繰り返すと、ひと月当たりの負担は変わらずとも「返済期間」が延びていきます。
返済期間が延びれば利息も増えるため、最終的な金額が大きくなり、返済に苦しんでしまいました。
キャッシングと同じくリボ払いに関しても、失敗や後悔を防ぐために理解を深めておくことが必要です。
リボ払いについての具体的な内容は別の記事で今後詳しくまとめるのでいましばらくお待ちください。
②ポイントが付与されない
クレジットカードのショッピング枠であれば、利用するとポイントが還元される場合が多いです。
しかしキャッシングで現金を借りても、基本的にポイントは還元されません。
キャッシングするときは大きな額を借りることもあるので、ポイントが付いてくれたらとても嬉しいんですけどねっ…!
例外としては「コンビニATMでキャッシングすると抽選で○円分のポイント還元」のようなキャンペーンを実施している場合もあります。
私は楽天カードを所持しており、このようなお知らせがたまにメールで届きます。
少しでもお得に借りられるよう、クレジットカード会社のキャンペーン情報を確認しておくことも重要です。
前述した「返済できないリスク」と比べればそこまで大きなデメリットではありませんが、「ポイントが付くと思ったら付いてなかった」とガッカリしないように覚えておくといいですね。
キャッシングを利用する3つの方法
では、肝心なキャッシングの方法についてお伝えします。
主なキャッシングの方法は上記の3つです。それぞれもう少し詳しく見ていきましょう!
①ATMで借りる
一つ目は、銀行やコンビニなどのATMにクレジットカードを差し込んでお金を借りる方法です。
クレジットカードをATMに差し込むと「お引き出し」や「ご出金」などの項目が表示されます。
具体的な表記はATMの種類によって異なります。
その後「お借り入れ」や「キャッシング」などが表示されたら、選択しましょう。そして暗証番号を入力し、金額を入力すれば現金を引き出せます。
もちろん、引き出せるのはキャッシング枠の範囲内での金額です。
手順としては、キャッシュカードで口座からお金を引き出す場合とそこまで変わりません。直接現金を借りたい場合はもっとも便利な方法です。
②アプリで借りる
クレジットカード会社が提供しているアプリがあれば、スマホやタブレットによる簡単な操作で借りられます。
直接ATMや銀行に行く手間が省けるため、家にいながらでも簡単に完結します。
ネットバンキングで振り込みたい、もしくは口座に急ぎでお金を入れておきたい場合に便利です。
③電話で借りる
電話で申し込むことで、指定した口座へ振り込んでもらうこともできます。アプリ同様、家にいながら簡単に利用できて便利です。
しかし、クレジットカード会社によっては受付時間が決まっているかもしれません。あらかじめ確認しておきましょう。
よほど電話のほうが便利な理由がないかぎりは、アプリでの利用が便利でおすすめです。
キャッシングの返済方法は3つ
キャッシングの主な返済方法は以下の3つです。
それぞれ詳しくお伝えしていきますね。
①口座引き落とし
一般的な返済方法が、銀行口座からの引き落としです。返済日に自動で引き落とされるため、返済のし忘れを防げます。
ただし当然ですが、返済日までに返済額が口座に入っていなければ引き落とされません。
クレジットカード会社によっては、返済日前に確認のメールが来る場合があります。返済に悩んでいた頃は、このメールが来るたびに憂鬱な気持ちになっていました…。
返済に遅れると遅延損害金が発生したり、クレジットカードの利用を止められてしまったりする可能性があります。
遅延損害金は利息とは別に発生する金額。遅れれば遅れるほど高くなる場合もあるので要注意です。
長期間遅れれば信用情報にも傷がつく恐れもあります。どうしても返済できない場合は、まずはクレジットカード会社に連絡するようにしましょう。
②ATM振り込み
ATMでの返済もできます。
たとえば返済日前に金額を用意できた際は、口座からの引き落としを待たずにATMで返済が可能です。
返済忘れを防げますし、早めに返せば気持ちもすっきりしますね。
また臨時に収入があり、通常より多く返済したい場合もATMから振り込めます。
返済期間を短くできるため、利用できるならしていきたいところです。
ただし別途ATM手数料がかかる可能性もあるため、確認しておきましょう。
③銀行振り込み
指定された銀行口座に振り込んで返済できる場合もあります。
銀行振り込みの際は、まずクレジットカード会社に連絡して振り込みで返済したいことを伝えましょう。
銀行振り込みで返済したい場合、振込先や金額を確認するため、事前にクレジットカード会社への連絡が必要になる可能性が高いです。
希望の支払額を指定できるため、ATMでの返済と同様、多めに返済したい場合に有効です。
キャッシングの理解を深めて賢く利用しよう!
キャッシングは最短即日でお金を借りられます。そのため、キャッシングの選択肢を持つことで不意の出費に対応しやすくなります。
しかしお金を借りたら当然、返済が必要です
「返済できるだろう」とはじめは思うかもしれません。しかし怪我や体調不良で収入が減少し、返済が難しくなることもあります。
返済が難しくなると、最悪の場合「返すために借りる」という負のループにはまってしまいます。
私がまさにそれで苦しんだので、本当に注意したほうがいいです。
そのためキャッシングを利用する際は、余裕を持った返済計画を立てることが本当に重要です。
確実に返済できる金額の範囲内で、無理せず上手に活用していきましょう。